2023年11月29日
Xperia 5 IVの使い心地を軽く紹介します。
画面はOLEDでリフレッシュレートは120Hzに設定可能ですが、アダプティブリフレッシュレートではありません。
電池持ちや発熱に大変悪影響を与えるためか、初期設定では60Hzに制限されています。
初期設定では色温度(ホワイトバランス)が少々変でしたが、画質設定を「クリエイターモード」に設定すれば問題ありません。
HDRはそこそこで、14インチMacBookに比べると輝度が劣ります。
側面指紋認証です。側面指紋認証しか勝たん。
感度はいいです、というか良すぎるぐらいです。10 IVの記事で感度が悪いと書いていたのはなんだったのでしょうか、ここにもローエンドとハイエンドの違いが?
……しかし、顔認証がないのは不便ですね。ないと欲しいと感じます。
バイブレーションはハイエンドらしく高級感のある感触ですが、iPhoneの「叩かれている」感覚とは違い「はじかれている」感じがあります。
スピーカーはステレオかつDolby Sound対応ですが、Dolby Soundは設定でオンにする必要があります。
Dolby Soundを有効にすると普通に悪くないという感じですが、でもスマホスピーカーの壁を突破できているわけではない……というかスピーカーで聴くことがやはり好きではないのですよね。
Apple Musicのイコライザを開こうとするとXperiaのオーディオ設定が開きます。Dolby Soundで10バンドでイコライザーを調整できますが、私は調整はいらないと感じました。
DSEE Ultimateや360 Upmixといったアップコンバート機能がありますが、これはちょっと要らないかなと思います。
天下のSONYのハイエンド端末ですから、当然aptX AdaptiveやLDACに対応しています。SONY製イヤホン・ヘッドホンとの相性も抜群でしょう。
LE Audio対応も宣言されています。
3.5mmオーディオジャックも搭載されています。
Xperiaのサイトではこのデジアナ変換も頑張って設計したと書いてはいるものの、セルラー通信のノイズを考慮するとウォークマンや専用のUSBアンプDAC製品の方がいいのでは?とも思ってしまいます。私はまだそういうものは持っていないのでただの憶測です。
おサイフケータイはついていて当然ですが、背面に描かれているのはおサイフケータイロゴではなくNFCマークになっています。
nanoSIM + eSIMのデュアルSIM対応です。DSDV対応とのことです。iPhoneやRakuten HandのようなDual eSIMではありませんので、2回線のどちらかは物理SIMカードである必要があります。
Softbank版の対応バンドは次の通りです。
docomo・auのプラチナバンドにも対応していますので、4社すべてで使えると言えます。
ミリ波はありませんが、まず要らないでしょう。
Softbank 5G SAに対応しています。5G SAには速度的なメリットはありませんが、CellmapperでgNBが取得でき、基地局収集ができます。
Wi-FiはしっかりWi-Fi 6対応です。10 IVは5止まりでしたね。
電池持ちをモバイルバッテリー等でカバーできれば、テザリング運用には最適な端末です。
Xperia 5 IVは、SoCがSnapdragon 8 Gen 1、RAMは8GBを搭載しています。
AnTuTu v10ベンチマークスコアは103万点でした。
AnTuTu v10スコアは今までのAnTuTu v9スコアとは比較できないためご注意ください。
AnTuTu v10の他の機種の実測結果を参考として示します。
機種 | SoC | AnTuTu v10スコア |
---|---|---|
Blackview Tab 18 | Helio G99 | 41万 |
Pixel 7 | Tensor G2 | 89万 |
iPhone 13 mini | A15 Bionic | 123万 |
11インチiPad Pro(第3世代) | M1 | 188万 |
バッテリー持ちはすこぶる悪いことを覚悟してください。
筆者はこの端末から楽天回線をテザリングしているため、電池持ちが最悪な状態になっています。テザリングしていなかった時の電池持ちも結構悪かった印象があります。そもそも筆者は必ず1つのスマホからテザリングを行っているため、電池持ちの感覚が鈍っているためスマホのバッテリーについては評価できません。
充電については、最近神ジューデンとかいうの流行っているらしいですが、この端末は関係ありません。
しかし、30WまでのPD充電に対応しています。必要十分だと思います。
SONY αEやRX100シリーズの知見を活かしたプロ向けのUIでの撮影が可能ですが、筆者はSONY製のカメラに親を殺された(比喩)のでこれはマイナスポイントです。
マニュアルで撮れたところで絞りがあるわけでもなく……あとAWBもちょっと変ではないでしょうか。気のせい?
動画は発熱による制限がかかり、使い物になりません。フルサイズαでもそんな感じの話がありましたね。
スマホでどうしても動画を撮りたいならiPhoneを使うべきです。
……と悪いことばかり言っていますが、
は素晴らしいと感じました。
だがしかしだ、望遠(2.5倍・フルサイズ換算60mm)レンズがとにかく寄れないのも不満です。
望遠は遠景を撮るためのものだと誰かがおっしゃっていましたが、それは違います。望遠というのは半分は物撮りのためにあるのです。フリマアプリのために望遠で物撮りする需要は高いはずなのにどうしてそこを拾わないのか。……単純にシステムが小さすぎて収まらないからなんでしょうけど。
筆者はスマホカメラに何も求めてはいないのですが、3週間ほど使って一番不便に感じたのは望遠が寄れないことでした。なお5 Vでは望遠カメラ自体オミットされました。
ここまで文句を垂れても、10 IVと比べれば飛躍的な性能を持っています。しかしそれは5 IVがすごいのではなく10 IVが酷かっただけだと思われます。
XperiaのUIはピュアAndroid(AOSP)寄りで好みですが、サイドセンスはやはりあまり使い勝手がよろしくないですね。
Softbank版ですのでプリインストールアプリがたくさんあります(必須アプリとしてGoogle Playストアからインストールされる形です)。
Xperiaの懸念点として、セキュリティアップデートが3年しか提供されないことが挙げられます。ハイスペックなのに3年しか使えないのはそもそも勿体無いですよね。GalaxyやAQUOSもユーザーのリクエストに応じ軒並み4〜5年間のアップデートを決意していますので、Xperiaももう1年なんとかお願いしたいところです。
バックグラウンドアプリが積極的にタスクキルされるのもXperiaの悪いところです(メモリが8GBあるのに)。これには解消法があるらしいので検索してみてください。
Snapdragon 8 Gen 1は発熱や電力消費が問題ではありますが、そうは言ってもハイエンドですから端末の動作はサクサクです。Androidのローエンド端末をお使いの方や、スマホを頻繁に買う方で、画面が多少小さくてもよいのであれば今すぐ家電量販店に買いに行くべき機種だと思います。