2024年1月11日
お年玉を利用し、イヤホン趣味に手を出します。手始めに「SHANLING M0 Pro」「Sennheiser IE 100 PRO」「KZ ZSTX」「NICEHCK DB1」「Kiwi Ears Dolce」を購入してみました。
(お年玉はMisskey開発に対する支援としていただきました。ありがとうございます。)
いつものガジェットレビューでは写真がたくさんある記事とスペックや使い勝手を書いた記事とを別にしていますが、今回は最初にスペックなどを記載し、記事の後ろに詳細な写真を掲載します。
数量自体が多いためご了承ください。
イヤホン・ヘッドホンはバランス出力ができるソースがないと始まりません。
SHANLING M0 Pro グリーンがAmazonのセールでたまたま16,830円で販売されていたため(通常19,800円)、今回はこちらを購入しました。
DAPではありますが、USB DACにもなるしBluetoothレシーバー(受信機)にもトランスミッター(送信機)にもなります。送受信ともにLDAC対応です。やや遅延はあるらしい。
ケース及びバランス接続用ケーブルはそれぞれ別売1,980円となっていますが、合計で2万5千円程度でこれが買えるなら単品のポータブルUSB DACを買うより便利なのではないでしょうか。
なお今回はDAPとして使用しておらず、USB DAC及びBluetoothレシーバーのみ使用しています。
音質は他のものを使ったことがないので知りませんが、まあまあ良いらしいです。2つのD/Aチップが搭載されていますが、バランス接続で初めて2つが駆動するため、アンバランスとバランスでは音質は異なります。
なお、SHANLINGのUSB DAC「UA5」では3.5mmアンバランス接続でも2つのD/Aチップで稼働する「デュアルDACブーストモード」が搭載されています。3.5mmで行きたい方はそちらを検討されてみてはいかがでしょうか。
PCM最大384kHz/32bitが大々的に謳われていますが、これはmicroSDカード内の音源についての話で、USB DACとしては192KHz/24bitが最大スペックとなります。
普通が48KHz/16bitなのでそれでも十二分でしょう。OSの設定画面ではなぜか352.8KHz/32bitが最大に見えますが、352,800Hzを選択すると音が流れないため注意。
AndroidでもUSB DACとして動作します。動作中に充電するかどうかを選択できるため、オフにすればスマホの充電を食い散らかされる心配はありません。
連続再生時間はバランス接続で最大10時間と言われていますが、個人的な体感では4時間程度に感じます。
画面の反応が若干癖がありますが、慣れれば使えなくはないです。画面のリフレッシュレート自体はXiaomi Smart Band 7よりも高速だと思います。
他の機器にソースを変更するにはソース機器かM0 Proで切断操作を行う必要があります。
Bluetoothのマルチポイントは対応していません(2つ繋がった状態にはなるのですが、おかしな状態になるのでやめておいたほうがいいです)。
さらに 各種設定を行うには一度USBやBluetoothを切断する必要があります。 これが一番辛いです。
ただ、機器本体のタッチパネルで色々な設定や操作が行えることは、これらの使いにくさを上回る快適性を与えているはずです。
あとは他のBluetoothレシーバーのようにマイクが欲しいですね。
Bluetoothの受信感度はEarFun Air Pro 2と比べると悪いですが(MacBookとのAAC接続で比較)、EarFunは割とBluetooth感度がいい方と言われているため、おそらくM0 Proはすごく悪いわけでもないかと思います。
さて、イヤホンを聴いていきます。「Sennheiser IE 100 PRO」「KZ ZSTX」「NICEHCK DB1」「Kiwi Ears Dolce」の4つを、TRIPOWIN Zonieを使用し、すべてバランス接続で比較します。okcscの0.75mmオス-MMCXメスアダプタ及びPentaconn Ear 異形オス-MMCXメスアダプタも使用しています。
自分自身にイヤホンのレビューなどができるような大層な耳があるとは思っていないのですが、ざっくり次のような感じで解釈してください。
音質を評価するためのリファフェンス音源は、次の画像の通りです。自分が普段聞いているものとネットの情報を参考にしています。
Apple Music オーディオ音質評価リファレンスプレイリスト (仮)
公称スペックを比較してみます。
IE 100 PRO | Dolce | ZSTX | DB1 | |
---|---|---|---|---|
タイプ | IEM | IEM | IEM | IEM |
DD | 1x10mm | 1x10mm | 1x10mm | 1x10mm |
BA | - | - | 1x30095 | - |
インピーダンス | 20Ω | 16Ω±10% | 12Ω | 16Ω |
帯域Hz | 20〜18k | 20〜20k | 20〜40k | 20〜20k |
感度 /mW | 115dB | 102±3dB | 107dB | 106dB |
コネクタ | Pentaconn Ear 異形 | qdc (0.78mm 2pin) | KZ Type B (0.75mm 2pin) | TFZ (2pin 0.75mm) |
シェル | 樹脂 | 樹脂 | 樹脂 | 樹脂 |
ノズル | 樹脂 | 樹脂 | 樹脂 | 金属 |
とりあえずMisskeyでアンケートをとって一番人気だったモニターイヤホンSennheiser「IE 100 PRO」をAmazonで購入しました。11,809円でした。
感想としては、ドンシャリ気味かつ聴き疲れしてしまう感じです。低音域や高音域は確かに大変情報量が多く主張もあるのですが、中音域がそれに劣っているため調和が崩れている感じがします。これはイヤホン自体の特性ではないかもしれません。
出てくる情報量が多すぎて疲れるというのはあると思います。
ライブや収録で曲のリズムや進行を掴むには相当優秀だと思いますが、長く音楽を楽しむには向かないと感じます。
これを使うと音源の音割れがわかります。知りたくなかった。
中華イヤホンのKiwi Earsのエントリー「Dolce」を試してみます。表示価格は3,630円で、5%オフクーポンがありました。
解像感は高くありませんが、IE 100 PROよりはフラット傾向です。それでもドンシャリかな?低音域の主張が強いのに解像感がないのが気になってくるかもしれません。
若干雑に扱ったため塗装面の一部がテカってきてしまいました。
中華イヤホンでおすすめされがちなKZ「ZSTX」です。色がいくつかありますが、緑を購入しました。2,280円でした。
4者の中でこのイヤホンに特筆すべき点は、1DD+1BAのハイブリッド型である点です。
低音域がとにかく元気な感じです。Amazonの商品タイトルにも重低音って書いてあるし。
ただ、ギターなどの中音域の情報が特に失われている感じがあります。
最後に紹介するのは中華イヤホンレビュワーのふぐみかん氏がおすすめされていたNICEHCK「DB1」です。2,250円でした。
イヤーピースを変えろということでそこら辺にダイソーの低反発イヤーピースがあったので装着しましたが、確かにより近くで聞こえるようになった感じがあります。(イヤーピースを変えはじめると組み合わせが無限大に爆発するためやめたいところですが……)
このイヤホンだけノズルが金属製ですね。
インターネットではフラットであるという紹介がされますが、個人的には低音域の主張はもう少しあっていいと感じました。低音域の解像感はないわけではないので、EQで増やしても大丈夫です。
かといって全体的に解像感がめちゃくちゃあるわけでもない感じです――そこらへんのイヤホンよりはよっぽどあるんですよ、IE 100 PROと比べるとという話であって。
コネクタ部がグラグラしているのが若干気になりますが、耳につけている間に動くというわけではありません。
どれがいいか結論を出して1つか2つぐらいだけ手元に残したいと思っていましたが、なかなか判断がしにくいです。沼。
音源の情報が知りたいならIE 100 PRO、色々弄り甲斐があるのがNICEHCK DB1、最初からいい感じで一般人にお勧めしやすいのはKiwi Ears Dolce、低音が元気なのがいいならKZ ZSTXという感じでしょうか。
今の所、NICEHCK DB1をEQでちょっとだけドンシャリにして聞くのがいいのかなと思っています。
色々なところでTRN Conchがおすすめされていますが、Amazon発送でない上に中国からの発送のようなのでちょっと手を出す気になれません。Amazon倉庫に在庫が復活することがあれば買いたいです。